
大城望の“教育観”を変えた出来事

18歳の頃の話です。
僕は、大学一年生の頃から様々な体操教室でアルバイトをさせてもらっていました。
その時に、あまりレッスンに参加しない5歳の男の子がいました。
来る日も来る日も、あまり体操のレッスンに参加せずに、ずっと後ろで座って見ている彼の姿に僕は毎週、頭を悩ませていました。
ある時、先輩講師にそのことについて相談をしてみました。
「なぜ、あの男の子はあまりレッスンに参加しないのだと思いますか?」と。
すると先輩講師がこう教えてくれました。
「あのね、大城くん。
その子にはその子なりに参加したくない理由が必ずあるんだよ。
例えば“失敗するのが怖いのかもしれない”もしかすると、“何か心にブレーキがあるのかもしれない”
それを私たちが探して続けて、その子に“安心感”を与える必要があるんだよ。
あなたの味方であること、少しずつゆっくりで大丈夫だからね、と笑顔で話しかけたり、スキンシップを取っているうちに、絶対にこちらを信頼してレッスンに参加してくれるから、私たちにできることは安心感を与えて“信じて待つこと”だよ」
その話を聞いて、僕は自分を恥ずかしく思いました。
なぜなら、僕はその男の子のことを心の中では「ダメな子なのかもしれない」というレッテルを貼り、子どもの可能性を信じずに心に寄り添えていない自分がいたからです。
大反省したことを覚えています。
そして、その先輩講師のアドバイスを受けてから、僕は男の子にこう語り続けました。
「レッスンを見てくれるだけで、先生は嬉しいからね。今日も来てくれてありがとう。◯◯くんのこと、大好きだからね」
僕は毎週、彼を抱きしめながら伝えました。
するとある日突然、彼から、「ボク今日は最初から全部体操やってみる!」と言い出したのです。
僕はその言葉が嬉しすぎて、そして彼が笑顔でレッスンに参加している様子と、嬉しそうに彼を見つめているお母さんを見て、僕はレッスン中でしたが、幸せが溢れ出し、涙を堪えることができませんでした。
その後は言うまでもありません。
その日以来、彼はレッスンを受けてくれて、自信と自己肯定感を高め、年下の子どもたちの憧れとなるお兄さんに成長してくれたのです。
あれから長い年月が経ちましたが、元気でやってるといいなあ。