僕は、先生になりたての頃、レッスンがうまくいかない原因を、すべて子どもたちのせいにしていました。
そして、イライラした感情を子どもたちにぶつけて怒っていました。
叱っているのではなく、怒っていたのです。
それは、怒っている僕の都合によるもので、子どものためではありませんでした。
子どもが思い通りに動かないので、腹を立てて怒っていたのです。
今思えば、とても恥ずかしい過去です。
当時は、まだまだ未熟者でした。
僕はいつも、この本に出てくる文章を、自分に当てはめて読んでいます。
以下、『子どもの心のコーチング』菅原裕子著より
===========================
親は叱っているのではなく、自分の都合で怒っている。
子供をやる気にさせるために、叱るというのはどうでしょう?
「何やってるの?さっさとしなさい。」
声を荒げることはありませんか?
あるいは脅すということもあります。
「いいかげんにしないと〇〇するよ」
「いうことを聞かない子はうちの子じゃありません」
叱られたり、脅されたりした子どもはおびえ、その不安を解消するために親のいう通りに行動します。
その結果を見て、親はしつけがうまくいったと内心喜びます。
これはしつけではありません。
脅しという罰を使った支配であることを理解してください。
褒め言葉を使った支配が子どもたちにいい影響を与えないのと同じように、罰を使っての支配も、子どもの未来に大きな問題の種を植えることになります。
もし、叱ることに効果があるとしたら、それは命にかかわることを教える時です。
事故につながる可能性があったり、自分を傷つけてしまいそうな危険がある時は、すぐにやめさせて「だめ!」と叱ることが大切です。
誰かを傷つけそうな時も同じです。
子どもがふざけて危ないことをしている時は、すぐその場で叱るべきです。
命が危険にさらされるという緊急を要することであるとその場で教えるべきです。
それ以外では、子どもを叱ることは、害こそあれ何もいいことはありません。
それなのになぜ、親は叱るのでしょう。
実は親は叱っているのではなく、怒っているのです。
それは怒っている親の都合によるもので、子どものためではありません。子どもが親の思いどおりにふるまわないので、腹を立てて怒るのです。
思いどおりにならないので、感情的になってその怒りをぶつけているのです。そして、怒りを使って子どもを支配しようとします。
怒ることで子どもを思いどおりに動かそうとするのです。
感情的になって子どもを怒る時、子どもはただの感情のはけ口にすぎません。問題は子どもではなく、子どもは単にきっかけを作っただけ。
怒っている親自身が問題を抱えているのです。
それがひんぱんであると、ターゲットにされる子どもの人格が危機にさらされます。
親の怒りに動機づけられた子どもは「怒られないために」という後ろ向きな理由で行動を起こすようになります。
その動機づけが習慣になってしまうと、怒られないと行動を起こしません。
そして行動する時はいつも、自分に怒りをぶつけた親に腹を立てながら行動することになります。
この悪循環は、子どもに「愛すること」を教えるどころか、人を憎むことを教えてしまうのです。
怒ること、叱ることの多い親は、一度自分が何に腹を立てているのかを見つめ直してみてください。
そこには子どもに対する「〜べき」という考えがあるのではないでしょうか。
子どもは親の言うことを聞くべき、子どもは口答えをすべきではない……。
その「〜べき」があなたに腹を立てさせます。
でもその「〜べき」は本当に正しいでしょうか?
理にかなっていますか?
理にかなっていると思うなら、怒らずに、子どもにその理(ことわり)を教えてください。
もし理にかなっていないと思われるなら、親の不機嫌を子どもに押しつけるのはやめましょう。
===========================
やはり、何度読んでも勉強になります。
書籍はこちらから